香港のビザの切り替え方法と条件など香港でのビザ切り替えは、ライフステージやキャリアの変化に応じて必要になることがあり、転職、起業、家族の事情などさまざまな理由が背景にあります。

香港では、ビザの種類ごとに発行目的が決められており、目的に合わない活動は許可されません。例えば、就労ビザでは転職が許可される範囲が限られ、就労ビザを保持したまま起業することはできません。そのため、新しい活動を行う際には、ビザの種類を適切に切り替える必要があります。香港のビザ切り替えは香港イミグレーション(入境事務所)で申請を行い、審査期間は通常4〜6週間ほどです。

ビザの種類ごとの切り替えケースとして、就労ビザから投資ビザへの切り替えがあります。企業での勤務を終了し、自分のビジネスを立ち上げる場合には、就労ビザから投資ビザへの切り替えが必要です。投資ビザは、香港の経済に貢献することを目的としたビザで、新規事業の立ち上げや企業への投資が対象です。投資ビザへの切り替えの条件としては、有望な事業計画書(事業の内容、収益計画、雇用の創出が示されていること)、最低限の資本が準備されていること(具体的な金額はケースごとに異なる)、大学卒業以上、もしくは優れた技術資格、専門能力、経験や実績があること、香港内で現地人材の雇用を見込んでいることなどがあります。必要書類を揃えて、香港イミグレーションに提出します。4〜6週間程度の審査を経て、投資ビザが発行されます。ただし、投資ビザの審査は他のビザに比べて厳しく、追加書類の提出をすることも多いため、時間に余裕を持ち手続きを行うことが重要です。投資ビザ承認後、就労ビザは無効になり、新しいビザが有効となります。

また、投資ビザは他のビザに比べて更新審査も厳しく、ビザ申請時に提出をした事業計画に沿って業務がおこなわれているか確認されます。香港イミグレーションが不十分と判断すればビザ発行期間が短くなることや更新自体が却下される可能性があります。このように投資ビザは取得も更新も難しいビザであるため、起業家であっても株式比率などを調整して就労ビザに切り替える方もいらっしゃいます。

香港で家族との同居を優先する場合や、配偶者が香港に就労ビザや投資ビザを持つ場合、自身の就労ビザを家族ビザに切り替えることが可能です。家族ビザを取得すると、香港で自由に働くことができるメリットがあります。家族ビザへの切り替えの条件 として、配偶者が香港の有効なビザを持っていること(就労ビザ、投資ビザなど)、結婚証明書の提出(公証された英語または中国語の証明書)、同居計画の証明の提出(香港内での住所や生活計画が必要)、 配偶者が十分な収入と住居を確保していることなどがあります。 申請の流れとしては、 必要書類を香港イミグレーションに提出し、申請から6週間前後に審査結果が通知されます。承認後、就労ビザは無効となり、家族ビザが発行されます。

ビザ切り替え時の共通注意点として、ビザの空白期間を避けることが挙げられます。ビザの切り替えが完了する前に、次の活動(就労や事業運営)を開始すると、不法就労と見なされる可能性があります。そして、必要書類の不備に注意が必要です。申請書類に不備があると審査が遅れたり、申請が拒否されることがあります。事前に書類を正確に整えて提出しましょう。ご自身で書類の準備が難しい場合は、専門家の力も借りながら進めていくことをおすすめします。

香港でのビザ切り替えは、目的に応じて適切に行わなければなりません。就労ビザから投資ビザや家族ビザへの切り替えは、ライフスタイルの変化に対応するための重要な手続きです。必要な書類を正確に揃え、早めに申請を進めることで、ビザの空白期間を避け、スムーズに新しい生活を始めましょう。ビザ手続きに不安がある場合は、専門家に相談することで、手続きが円滑に進むだけでなく、リスクを最小限に抑えることができます。香港での新しい挑戦に向けて、計画的にビザ手続きを進めましょう。

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