香港は世界中の優秀な人材を呼び込むために、さまざまなビザプログラムを提供しており、その中でも特に注目を集めているのが「香港トップタレントパス」です。このプログラムは、香港政府が海外からの高収入人材または高学歴の優秀人材を惹きつけるために2022年末に開始した制度であり、ビザの許可が降り、取得すると香港での2年間の滞在が許可され、就労や転職、会社設立や起業を自由におこなうことができます。申請時に香港での勤務先が決まっていなくても問題ありません。また、配偶者や18歳未満の未婚の子供の家族ビザも合わせて取得することができます。
香港トップタレントパスを取得するためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。まず第一に、学歴や専門知識に関する条件です。申請者は、世界ランキング上位100位以内にランクインする大学の学士号以上の学位を取得していることが求められます。この条件を満たしてる方の場合、直近5年間にフルタイム社員としての就労経験が3年以上あることも求められます。従業員としての勤務経験だけでなく、会社の経営をしていた場合も就労経験として認められます。
上記で紹介した条件の就労経験に達していない場合でもビザの取得が可能な場合があります。就労経験が3年未満であり、過去5年以内に世界トップ100大学を卒業している場合、現時点での年間で10,000人までビザの取得が可能とされています。「過去5年以内の卒業」は西暦年でカウントされ、例えば2018年に大学を卒業した方は2023年12月31日までに申請をおこなえば問題ありません。ただし、香港の学生ビザを保持して香港内の世界トップ100大学を卒業した方は申請できません。
職業経験は重要な評価基準の一つですが、申請時点で年収が年間250万香港ドル以上である場合には、職業経験に関する要件が免除される場合もあります。詳しくは香港政府のホームページにてご確認ください。
このように、トップタレントパスの取得には、学歴や職業経験において高い基準が設けられていますが、それは香港政府が高度な人材を戦略的に確保し、経済や社会の発展に寄与することを目的としているためです。
申請手続きは、まず事前に必要な書類を準備することから始まります。学歴証明書、職業経験証明書、推薦状などを揃え、さらに履歴書や香港での活動計画書も用意しておくことが推奨されます。申請条件のどのカテゴリーに当てはまるかによって、必要書類も変わってきますので、心配な方は経験豊富な専門家に相談しながら進めていくことを推奨します。
審査結果は、通常4週間前後に通知され、申請が許可された場合は正式なビザを受け取ることができます。
トップタレントパスのビザを取得すれば、2年間の香港の滞在が認められますが、2年間以上の香港での滞在を考えている場合、ビザ更新時に香港内で就職、または会社経営をしている必要があるため注意が必要です。香港には多くの国際的なビジネスコミュニティや専門家ネットワークが存在しており、これらを活用することで、キャリアの発展やビジネスチャンスを広げることができます。香港内のその他の就労可能なビザと同様、更新が許可されれば通常3年ずつ延長が認められ、7年間継続して香港に居住すれば永住権とパーマネントビザにも繋がります。永住権を取得すれば、さらに自由な就労や生活が可能となり、香港での長期的なキャリア設計がより容易になるでしょう。
このように、香港トップタレントパスは、専門的なスキルや経験を持つ個人にとって、香港でのキャリアを築くための有力な選択肢です。高度な学歴や職業経験を持つ人材に対して、柔軟な就労環境や家族の帯同といった特典を提供しており、香港でのキャリア形成を考えている方には、ぜひ検討していただきたいプログラムです。